害虫の誕生
- 作者: 瀬戸口明久
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/07
- メディア: 新書
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僕が一番面白かったのは、害虫に対する日本と西洋の考え方の相違。
日本では害虫の大量発生は「人間への『神罰』」と考えて神に祈った。ところが西洋では「自然界の秩序を乱しているのは害虫であり、害虫のほうこそ『神罰』を受けねばならない」と考える。そこで害虫を宗教的な裁判にかける「動物裁判」が行われるが、毛虫たちは当然出廷命令に応じることはできず、破門宣告されてしまう、というもの。
笑ってしまう僕の感覚はどう考えても日本人だ。
鉄とコンクリート、化学肥料と農薬の大量使用。これらの大量破壊兵器が世界の農地を全面的に破壊し、食糧生産は危機に瀕している。循環型農業を考え、生物の多様性の尊重を真剣に考える時。