よもだ

まちづくりの実践 (岩波新書)

まちづくりの実践 (岩波新書)

なに、たいしたことじゃありません。
この本の冒頭に出てくる「よもだ」がまさしく君だ、と僕に強く言い続ける方があって。僕もあながち的外れではないな、いやまさにそうかな、と乗せられてしまったものですから。
「よもだ」は愛媛県南予地方の方言。最初「よもだ」って言うんでしょと言われて、わからなかった。愛媛(伊予)は、東予中予南予となっていて結構広いんだ。僕は中予。それで、これを読みなさいと・・・
五十崎町という小さなまちの「よもだ塾」の活躍のお話が冒頭に紹介されている。著者はお堅い、有能な方のようだが、なぜかこの「よもだ」が気に入ったらしい。「『あいつはよもだ』と言われるのは、あまり名誉なことではないらしいが、・・・『よもだ塾』を無理に標準語に訳せば『いいかげん塾』になるから、東京ではとてもこんな名前はつけられない。」と紹介してある。
そうかやっぱりね、いいかげんだもんね、僕は・・・と思いながら読み進む。でもそんな人たちが、まちのまんなかを流れている小田川の改修工事を多自然工法に変えさせてしまった、全国のさきがけになったというのだ。
著者は「新しい自由な繋がりによる『よもだ』の人々が、囚われない自由な発想をもったことで実現された」と総括している。ちょっときれい過ぎる総括ですね。ごねたりケンカしたりいじめたりいじめられたりすねたり泣いたり、といろいろたくさんあったと思うのですが、僕も田舎者ですから、そうものごとは簡単ではないと想像がつくのですが、でも、著者に絡んでも仕方ない。
僕はあまりよくない意味での「よもだ」ですが、でも、「よもだ」的まちづくりを、僕もやりたいな。
読ませてくれて、ありがとう。