ローカリズム原論
- 作者: 内山節,21世紀社会デザインセンター
- 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
- 発売日: 2012/03/01
- メディア: 単行本
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コミュニティは、開かれたコミュニティでなくてはならない。
単一のコミュニティではなく、重層的なコミュニティであることが大切。
そして、自然との関係性の重視。
歴史的には、近代化、資本主義の発達が、共同体を破壊してきたことの指摘。
宗教論。土着の信仰との融合・・
だがしかし
「資本主義は市場経済というシステムに管理されています。・・人々は問題の所在がわかっていてもシステムから逃れることができない無力な人間になっている。それに対する反撃が反グローバリズムであり、ローカリズムだといえます。・・」
というあたりから、どうしても違和感を拭えなくなる。
小さい共同体を基盤にして世界を変えてゆく、というのは確かにアンチグローバリズムの感情にはマッチしている。
だが、できるのか?
その根拠が十分に示されているとは、言えない。
個々人の主体的拠り所としてローカルな共同体を設定することは、間違っていないかもしれない。だがそこから一直線に世界を、というのは飛躍ではないか。
また、「無力な人間になっている」という指摘にも同意できかねる。
僕はもっと人々を信じている。この間政治はひどいけど、それも世論によって大きく揺れ動いていることを同時に強く感じている。だから、そのへんの視座を、歴史的に理論的に位置づけてほしかったな・・・
スロータウン、とか僕も割と「ローカル」な切り口でものを言ってきた。そしてそれはとても大切なことと確信している。なのであえて書かせていただく。ローカルな共同体をベースとしつつ、危険な「システム」を監視し、規制する市民の力と手段を強大にする必要がある。そして多少時間がかかったとしても、それは可能だと。