Human
- 作者: NHKスペシャル取材班
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/01/20
- メディア: 単行本
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とても幅広の中身がぎっしり詰まっていて、一言で書ききれない。
でもあえてひとつだけ。
「第3章 耕す人・農耕革命 〜未来を願う心〜」にはこうある。
「松沢さんは、チンパンジーを通して人間の進化を見ている。この事例から何を思うのだろうか。
『多分想像するということが人間の特徴のひとつです。いまここではなくて、この先どうなるのか、あるいはかつてずっとはるか昔はどうだったのか、あるいはいまだとしても、地球の裏側で何が起こっているのか。そういうことに人間は思いを馳せることができます。・・・それは一言でいうと想像するということで、それが人間を人間たらしめている心の働きだと思うようになりました』
未来を考えることは、希望と絶望を生む。
未来があることは人間の希望に違いない。しかし、未来があるからこそ人間は絶望する。
未来を考える力を手に入れたときから、私たちの祖先は希望と絶望が交錯する世界を歩みはじめたのだ。」
脳の進化。
心の進化。
人が人としてあることは、どういうことか。僕たちの心の働きは、20万年にわたる進化の結果として今あるという否定することのできない事実。
奇跡としか言いようがない人間の存在を、息を整えて、思う。