「食」から見直す日本

「食」から見直す日本 〜人を知り社会を心配する食育講座〜

「食」から見直す日本 〜人を知り社会を心配する食育講座〜

副題に、〜人を知り社会を心配する食育講座〜とある。「社会を心配する」ってなんとなく面白くて惹かれる。
著者は日本獣医生命科学大学教授で、武蔵野市の給食・食育振興財団の理事長を努めておられる。
「おわりに」から少し引用させていただく。
「世は『食育』ブームであるが、食育講座などにおける範囲や内容を見ると、栄養学を中心にしたものだけで終わるものが意外に多い。」
「本書のねらいの一つは、『食』を通して社会を見るということである。」
・・・・そして!
「自由化による自動車や機械類の貿易からの利益獲得と、『食』や『農』の分野の貿易を同列に並べて論じられない」「土壌を基盤にする農業において、そうなることが地球全体から見て良くないことであり、地域や国が農業をしっかり保持していなければ、争いも起きようし、生態系も崩れてしまう。短期的な立場から利益に目がくらみ、根本を失ってしまうという失敗を人間は数え切れないほど経験してきているはずである。」
同感!!!!!(びっくりマークは僕)
だがしかし、ご安心あれ。難しいことばかりではない。
著書の内容を追うと、「『朝食系』でないと『恋人できない』」なんて言葉が出てくる。
また、「日本人にとってコメと魚は切り離せない。すなわち、先祖が選択してきた考え方は軽くはないのである」とか。
地産地消」の項では、「日常感覚から地産地消の範囲を想起すると①一日で農民に合うことが可能な範囲・・・複数の県を含む地域」とある。これなど、僕の素人考えにまさにピッタリなのだ。

こんな方が財団の理事長を務めてくださっていることを、市民として幸せに感じる。
先生、ありがとうございます。